色んな職場を放浪した男、コピでございます。
お読み頂き、有難うございます。
ハンコやめようぜ!
政治家の声が聞こえてきました。
形式だけの押印ってありますからね。
【ハンコのいんしょうが変わる?】
お役所仕事的な押印
大きな会社の書類には、確認のハンコを押す欄があります。
そのマスが3個だったり、5個だったり、10個だったり・・・。
内容にもよりますが、役職の高い人から下りてくる書類と部下から上司へと上がっていく書類があります。
ハンコを押さないと書類は先に進みません。
しかも、押す順番を守ろうとするものだから、全てのハンコが押されるまですごく時間が掛かる訳です。
一般企業がどのようなペースで仕事をしようが、その会社の勝手なので何も言うことはありません。
ただ、役所や省庁なら話は別です。
迅速に対応しなければならない場面で、「課長の所で書類が止まってます!」じゃマズいのです。
『承認』とか『許可』が欲しいならハンコじゃなくていいんじゃね?
最近ニュースになっている「押印廃止」の背景ですよ。
承認が欲しい全員にメールして、みんなが「OK!」と返信すれば、それで済むのですから・・・。
「ハンコを失くせ!」という話じゃない
先程ご説明したように、「押印する必要あるの?」という場面についてはやめよう!ということで、ハンコ文化をなくしましょう!という意味では無いのです。
※ゆくゆくは、ハンコじゃなく署名方式になると思います
そもそも、今すぐハンコを廃止するなんて無理なんです。
民法・商法・刑法・不動産登記法など色々な法律にハンコが登場します。
民法で「遺言書に押印してぇ」みたいな内容もあるので、いきなり変えるのは難しいでしょうね。
シャチハタを押して「確認したよ」という形式は止めましょうってことです。
ちなみに、シャチハタは商品名なので「浸透印」と呼ぶ方が良いでしょう。
ウォシュレットを「洗浄便座」と呼ぶ感じですね。
ウォークマンやホッチキスやフリスビーやセロテープやボーガンなども・・・。
すみません。話が脱線してしまいました。
コピとハンコ
僕は、色んな職場を放浪した経験を持ちます。
もちろん、ハンコ関係の業界にもおりました!
※何が「もちろん」なのか分かりませんが・・・
折角、ハンコの話になっているので、マメ知識を書いておきましょう。
ハンコの呼び方
判子(ハンコ)のことを何と呼びますか?
「ハンコ」ですか?
そうです!ハンコですから・・・。
でも、「ハンコを押してください」って何か子供っぽいと言うか、言いにくいですよね。
「ご印鑑をお願いします!」
そんな感じで言いませんか?
印鑑は、ハンコの事じゃないんですよねぇ。
ハンコと言う物体で押した跡が『印影』です。
役所などに登録した印影を『印鑑』と呼びます。
だから、「ご印鑑をご持参ください」という日本語はおかしいです。
ハンコをカッコよく言うなら『印章』です。
ただ、「印章をお持ちください」と言われても分かってくれる人は少ないです。
ハンコが印章であるという印象が無いのでしょうね。
相手に伝われば良いので、僕は「ご印鑑」を多用します。
「シャチハタ以外のご印鑑をお持ちください」と。
ハンコの文化っていいよね
成人のお祝い、親が子どもに実印を贈る
そのようなことがあると思います。
「大人の証として一生使えるモノ」ですからね。
『実印』と堅苦しい呼び方をしますが、印鑑証明で登録したハンコを実印と言うだけで、別に高級な判子が実印って訳じゃないですよ。
100均のハンコでも確か登録できた筈です。(浸透印は不可)
親から贈る印章。
素材にもこだわりたいですね。
一時期、最高級印材として象牙がもてはやされていました。
今はチタンなどの硬い素材が高級品となります。
実印はフルネームで彫るのが一般的です。
ただし、女性の場合は下の名前だけで作ります。
結婚して苗字が変わる可能性があるからです。
でも今は、夫婦別姓だったりしますよね。
僕の周りに婿養子が結構います。
実印はどうしたのだろうか?
ハンコの素材
先程、象牙とかチタンとかハンコの素材について触れました。
チタンのハンコですが、10万円くらいすると思います。
お~、なかなかのお値段!
もうちょっとお安い(2~3万)くらいのものは無いかしら?
そういった方には、水牛の角が良いでしょうね。
黒水牛とかオランダ水牛とか・・・。
(注意)現在取り扱い出来るのか調べていません
「このハンコは木で出来てるね」
それは恐らく、柘植(ツゲ)で出来ています。
「お前はツゲかぁ~」と印章に声を掛けてあげてください。
100均などに白いハンコが置いてありますね。
あれは『ラクト印』と呼ばれます。(と、記憶しています)
「ラクト」はラクトアイスの「ラクト」です。
英語で乳という意味の【lact】です。
乳製品を作った残りカスを固めて印材を作った・・・だからラクト印、と聞いたことがあります。
実際にはプラスチック製なので、昔そうだったのか、白くて牛乳みたいだからそう呼ぶのかは分かりません。
実印の書体について
印影を見て「これ実印よねぇ」と感じることがあると思うんです。
書体が独特だからでしょう。
実印によく使われる書体が 篆書体(てんしょたい) です。
家康さんのはこんな感じ
八方篆書体(吉相体・印相体)という篆書体をもっと崩した書体もあります。
「パッと見、分んなくね?」と思いますね。
実印は、それでいい! それがいい! のです。
実印を押印するケースは、長い人生でそれほどあるもんじゃないですよ。
大切な契約とか高額なモノを購入する時です。
そんな簡単にハンコをポンポン押して良い場面じゃありません。
実印を手に取ります。どちらが上か分からないので印面を見ます。ひと呼吸置くことが出来ます。
「本当にこの契約を進めて良いのだろうか?」
そのために、あえて分かり難くしてあるのです!
だから、実印にシールを貼って目印にしている人は、間違いですからね。
実印は、どちらか上か?分かり難くなっています。
一般的なハンコは印面を見なくても、どちらが上か分かります。
上部に凹みがあるからです。
この凹みを サグリ といいます。
ハンコの押し方
「私、ハンコを押すのが苦手なんです」
そういう方もいらっしゃるでしょう。
正しいハンコの押し方をお教えしましょう。
サグリ部分に人差し指を置きます
ハンコの頭(印面と逆の部分)を人差し指の第2関節と第3関節の間にくっつけます
ハンコを親指と中指で挟みます
ハンコの頭が触れている指の部分を意識して、上からハンコを潰すように力強く押します
これで、キレイな印影になるはずです!
よく両手でハンコを押す人を見ますが、あれ、カッコ悪いですからね。
スマートに押したいです。
まとめ
以上、「印象に残る、印章の話いろいろ」でした。
ハンコを一から彫る職人さんが年々減っています。
現在は効率の観点から、機械で彫られています。
良い印章店は、職人さんが最後の仕上げを行います。
機械で彫ったままだと、文字の線が太いからです。
ご自分の印章を見てみてください。
文字が細ければ、恐らく、職人さんの手が加えられています。
そのような印章は一生大切にしたいものです。
お読み頂き、有難うございました。
ハンコは大切です!