スケープゴート(scapegoat)
1 古代ユダヤで、年に一度人々の罪を負って荒野に放たれたヤギ。贖罪(しょくざい)のヤギ。
2 責任を転嫁するための身代わり。不満や憎悪を他にそらすための身代わり。出典 小学館/デジタル大辞泉
僕の気になる言葉 「スケープゴート」
この言葉、人が生け贄にされる、という風に解釈していました。
誰かの罪を被らされることなど、今の世の中、特にこの日本で起こり得ることなのか?と。
実際に“その姿”を目にしないと、この言葉についてキチンと理解出来ないと思っていました。
来ました~~~
ごく最近、その“ヤギの姿”をテレビで見ることが出来ました。
吉本芸人の「闇営業」問題です。
芸人の個人的な謝罪会見、ではなく、吉本興業社長の謝罪会見の方です。
ここまでの流れ、よ~く考えるとおかしくないですか?
芸人の不祥事(嘘の弁明)から始まって、嘘つき芸人に一般人が怒り、嘘つきが謝罪会見をしたがるが、事務所に止められ、事務所辞めろと言われ、更に恫喝され、仕方なく芸人個人が謝罪会見を開き、嘘についての謝罪が出来なかったのは事務所のせいだから、事務所の対応に一般人が怒り、事務所社長が謝罪して、芸人に対しての辞めろは撤回。
芸人たち、良かったね!
チャンチャン。です。
事務所の対応が問題で、恫喝した(と言われる)社長が悪くて、芸人は被害者。
しかも、社長の会見は何を言っているのかわからん、と世の中が騒ぐオマケ付き。
「会長や社長の減俸じゃ足りない」「芸人にちゃんと仕事をまわして」と。
これは、正に、岡本社長
スケープゴート じゃないですか?
いいものを見せてもらいました
同時に「これじゃ詐欺の被害者は減らね~な」と思います。
身代わりを用意すれば、物事の本質を忘れてもらえる。
すぐ騙される、チョロい人間が多いということです。
下着泥棒や痴漢でも同じなんですかね。
「私は10年前に下着を盗んでなどおりません」
週刊誌に証拠写真付きで出る。
「嘘をついておりました」
芸能人はイメージ商売だから、事務所は嵐が過ぎるのを待て、と指示。
「俺は謝罪したい!」
芸能人は不満。看板に傷が付いた事務所側の判断は変わらず。
下着泥棒のイメージが悪すぎて、事務所は芸能人の解雇を検討。
「謝罪させない事務所が悪い!」
芸能人は激怒。個人的に謝罪会見。
「こんなこと下着わけないじゃないですか。すみません」
芸能人は下着泥棒被害者団体に寄付。
多くの人は「闇営業」問題と、この「下着ドロ」問題の感想が、同じなんでしょう。
きっと。
僕は、万年野党のように、文句だけ言いたい訳じゃないです。
だから、謝罪について考えてみます。
しゃざい【謝罪】
罪やあやまちをわびること。
出典 三省堂/大辞林
犯罪じゃなければ「あやまち」ということになります。
「あやまち」を詫びる行為が、謝罪 ですね。
謝罪に必要なのは、
①正確に「あやまち」を把握してその部分のみ詫びること
②「あやまち」については誤魔化さないこと
③なぜその「あやまち」に至ったのか理解してもらうこと
だと思います。
一連の報道を見て、僕は「闇営業」芸人の謝罪に心を動かされることはありません。
キチンと謝罪されていない(謝ってもらっても仕方ないですが)と思うからです。
今回の吉本芸人「闇営業」問題は、どこに「あやまち」があったのか?
相手が犯罪者集団・反社会的勢力だったから?
100万円と言う大金をもらったから?
入江氏をパシリとして使ったから?
ん~~なんか、違う気がします。
『平気な面して嘘をついた』という簡単な理由だと思いますよ。
あやまちが『嘘を付いたこと』と理解出来ていれば、その周辺を誤魔化す必要はありません。
お金は後輩に飲み代として渡し、お釣りはもらった。これは全く要りません。
犯罪集団だと知っていれば・・・。そんな言い訳も要りません。
問題は、そこじゃないと思うのです。
そもそも、5年も前のこと。
覚えていなくても、仕方が無いと思います。
でも「闇営業」の経験があれば、やっていないとは言い切れないと思います。
彼らは、そんなことする筈がない、と言い切りました。
意図的に隠ぺいしたのでしょうね。
謝罪会見は、保身に保身を重ね、結局、謝罪になっていません。
圧倒的に足りないのが、過ちに至った経緯 だと思います。
納得できる理由はあります。
例えば、
「闇営業」が日常茶飯事で、5年前なんて覚えていない、とか。
自分にとって100万円は、はした金だから覚えていない、とか。
付き合っている人間は、反社会的勢力が多い、とか。
あれ? 保身と言うか、隠さなければならない話になっちゃいますね。
そうなると、嘘は、保身の為に付いたのではなく、言えない事実の為となります。
真実は分かりませんが・・・。
いずれにせよ、根深い話で、謝罪すること自体が難しいのかも知れません。
芸能界の謝罪の失敗と言えば、ゲス不倫の彼女でしょうね。
「あやまち」が 不倫したこと と大きく捉えてしまった為に、芳しくない結果となりました。
「あやまち」を 奥さんに悪いことをしてしまった と捉えるべきでした。
本当に、悪いことをしたと思うかは別です。念のため。
すると、不倫は事実です、彼を好きになってしまった、奥さんにすまない、ごめんなさい、となって、人によっては純愛(少なくても彼女だけは)と思ってもらえるチャンスがありました。
「あやまち」を勘違いし、保身で誤魔化した結果が、現在です。
まとめ
謝罪のあり方として、認めるところは認めて、謝る部分は言い訳せず謝って、芝居がかった顔をしないで、饒舌に上手い例えなどせずに、端的に詫びた方が良い結果につながると思います。
ただ、
潜在的に嫌われていて、叩かれ待ちだった
だけですかねぇ
お読み頂きありがとうございました