コピの部屋

自分なりの解釈で想ひを語っています。少しの好き嫌いと空想癖があります。

木綿のハンカチーフ 一途な女と愚かな男の恋の歌

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私のブログに、音楽のカテゴリーがあればそちらですが、歌詞の内容が「男女の気持ちのすれ違い」なので恋愛カテにしました。

皆さん「木綿のハンカチーフ」はご存知でしょうか?

1975年リリースの作品ですが、その後、数多くのミュージシャンがカバーしています。

女優・綾瀬はるかさんもカバーしました。

とにかく名作です。

作詞が松本隆さん、作曲が筒美京平さん、ヒットメーカーのお二人が手掛けたこの作品を太田裕美さんが歌います。

ゴールデンコンビのこの作品は、かなり売れたようです。同時期の「およげたいやきくん」に1位を阻まれてしまいましたが。

 

色あせることの無いこの作品。曲は当然良いですが、今日注目するのは詩の方です。

心情が凝縮されていて、しかも、斬新です。すごいです。

この歌は、以前から知っていましたが、歌詞について深く考えることもありませんでした。

 

 

歌詞がスゴイですよね?

何が?

まず、歌が1番から4番までありますが、それぞれに男女の掛け合いがあります。

斬新ですよね。

普通は一方の目線で話が進んでいきますが、この曲は、二つの気持ちが交差します。

男の心情、それを受けた、女性の心情という構成です。

少ない文字数で、それぞれを表現しようとしています。

下手をすると、短編小説になるような内容を1曲にまとめ上げます。

 

今回は、その歌詞を分解して、丁寧に解釈していきたいと思います。

 

①『恋人よ ぼくは旅立つ / 東へと向かう 列車で』

ぼくは と言っていますから、男性から恋人へのメッセージだと分かります。

この 旅立つ は、新しい生活という意味です。

1975年の作品なので、新しい生活=就職する、と考えることが出来ます。

男性は、高校3年で就職の為、引っ越します。当時、高卒の就職率が約50%でした。

東へと向かう というかなり限定的な言い回しです。

語呂を考えれば3文字になると思いますが、南ではなく、ひがしです。

日本は東西に長いので、東か西に行きますけど・・・。

(「東へ西へ」や「ニシエヒガシエ」という曲がありますね)

北海道・東北や南九州・沖縄に住む人がいるから、と別の表現を使いません。それが良いと思います。

東へと は田舎から都会への表現です。俺んちの東側は海だ!という人は想像力が足りてない方だと思います。

そして、列車で 。電車ではなく列車。のどかな場所を走る車両が想像できます。

 

『はなやいだ街で 君への贈りもの / 探す 探すつもりだ』

これから行く場所を、はなやいだ街 と表現しています。

ちょっとした都会というより都心のイメージです。

彼は恐らく東京で就職するのだと思います。

彼は、何でも揃う東京で、田舎では売っていないだろうものを探そうとします。

彼に対しては、田舎を少し馬鹿にしている節、彼女に何かあげれば良いだろうという安直な考えを持つ嫌な男のイメージがあります。

 

『いいえ あなた 私は / 欲しいものは ないのよ』

いいえ あなた で目線の変換と彼女からのメッセージを表します。これは秀逸ですね。

ないのよ の言い方が少し大人っぽいです。

彼は子どもっぽくて、彼女は大人っぽい性格だと思います。

 

『ただ都会の絵の具に / 染まらないで 帰って』

そういえば、彼女はなぜ、一緒に東京に行かなかったのでしょう?

彼女は何歳?この曲の一番の謎だと思います。

後のやり取りを見ると、同じ年かな?と思えなくもないです。

彼のことを「あなた」、言い終わりが「~のよ」です。

しかし、同じ年だとすると彼女も就職する可能性が高いです。

仮に、地元の大学への進学だとすると、「東京で贈り物を探すよ」と余裕はないでしょう。女子大生になる彼女が心配です。特に男性の面で。

彼女は、現状(彼の卒業前)とさほど変わらない生活を送るのでしょう。実家が自営業で、そこで働くとか。

そうなると、この遠距離恋愛を続けてもゴールが見えにくいです。

既に働いている年上の彼女という場合も同様です。

彼の贈りものは、「初任給が出たから」というより「お金を稼ぐ人から働いていない人へ」の雰囲気があります。

そう考えると、4月から新3年生になる高校生ではないか?との結論に達します。

都会の絵の具 という洒落た表現。恐らく文学少女。落ち着いた性格。

染まらないで 帰って は今と変わらない、あなたと会いたいという意味です。

今が高3ですから、来年に東京への就職・進学も考えられ、そんな未来があるからこそ、離れた2人に悲壮感が感じられないのでしょう。

会話の雰囲気から、付き合いは長いと思われます。

 

②『恋人よ 半年が過ぎ / 逢えないが 泣かないでくれ』

この男は、彼女を残し、半年間田舎に帰りません。

そして、悲しいだろうけど泣かないで、と伝えます。

自分目線でしか物事を考えられない、男特有の思考です。

泣いていて欲しいとの願望もあります。自己中心的です。

 

『都会で流行(ハヤリ)の 指輪を送るよ / 君に 君に似合うはずだ』

都会の流行の指輪 との表現は、俺はもう都会の人間だと言いたいのでしょう。そして、その指輪を付けて俺との関係を忘れるなと伝えたがっています。

それに、女性にはアクセサリーをあげときゃいいという考え。女の人って品物よりも、その背景を大事にすることが理解出来ていません。

ネックレスやイヤリングでなく、指輪というところに彼女への執着心を感じますが、それでも田舎には帰りません。

都会での生活が楽しいのでしょうね。

 

『いいえ 星のダイヤも / 海に眠る 真珠も

 きっと あなたのキスほど / きらめくはずないもの』

そんな駄目な男に対し、愛情の深さを独特な言い方で表現する彼女。

自分の一番望んでいる、一番欲しいものを伝えます。

 

③『恋人よ いまも素顔で / くち紅も つけないままか』

東京には、化粧をして着飾った女性がたくさんいる、と彼女を下に見ます。

都会の男となった自分と釣り合う女性になれ!と言いやがります。

前回あった、彼女からの素敵な願いを聞くつもりがありません。

困った男です。

 

『見間違うような スーツ着たぼくの / 写真 写真を見てくれ』

都会で働く自分を見て欲しくて、彼女に写真を送ります。

それを彼女が欲しがっていると、本気で思っているの?勘違いって怖いですよね。

特に男の勘違いは、女性の怒りの導火線に火を付けることが多々あるから、気を付けなければなりません。

 

『いいえ 草にねころぶ / あなたが好きだったの

 でも 木枯らしのビル街 / からだに気をつけてね』

男性諸君、分かりますか?彼女の気持ちが離れようとしています。

女性が、男性のどの部分を好きになるかって、複雑です。「えっ?そんなとこ」が結構あります。彼の少年のようなところが良かったのです。

しかし 好きだった と言われてしまいました。

彼女は、彼の体を気づかいます。それは「彼が好き」というよりも「知っている人だから」を強く感じます。

そして でも が重要で、あなたは変わってしまってもう昔の彼には戻らないだろう、が前にきます。でも、都会で暮らす私の愛した人、からだに気をつけてね、です。

木枯らし は彼女の心を表していて、とても切ない気持ちになります。

 

④『恋人よ 君を忘れて / 変わってく ぼくを許して』

彼はどうしたいのでしょうか?

君のことは忘れているのに、許して欲しいと懇願します。

ここに、男の本質があると思います。

自分は好き勝手やっても、女性は好きのままであろうという幻想を持っています。

戻れるように、保険をかけておきます。

大好きな彼女の為を思えば、ちゃんと別れてあげた方が良いのに・・・。

 

『毎日愉快に 過ごす街角 / ぼくは ぼくは帰れない』

ここで、少し救われます。

都会で愉快に過ごすバカ彼氏。お別れを匂わせても分からない彼氏。それでも帰らない彼氏。

後腐れなく、別れられそう。

彼女よ!こんな男、待ってることないよ。新しい道を進みなさい。

 

『あなた 最後のわがまま / 贈りものをねだるわ

 ねえ 涙拭く木綿(モメン)の / ハンカチーフください』

今まで、プレゼントなど望まなかった彼女が、贈りものをねだります。

わがまま とありますが、贈りものをもらうことが、わがままではありません。

大事なのが、最後の です。

昔のままの彼でいることを望んでいることは、私のわがままと思っている彼女。でもそれは、叶わない望みでした。

それならば、最後に私の願いを聞いてください、と伝えようとします。

涙拭く ハンカチ は、お別れしましょう、と意味が込められています。

本当に、ハンカチーフが欲しいではないですが、馬鹿な彼氏は買って送ってしまいそうです。彼女のこと、何も分かっていませんでした。

木綿の とあります。安いものをねだっているようにも思えるのですが、ハンカチ自体が高価ではありません。

あえて、丈夫なものを言っています。何度も泣くから丈夫なもの。その表れが、木綿です。

別れるとは言わず、涙拭く木綿のハンカチーフくれ!と、この文学少女は表現します。

意外と冷静です。

きっと、既に心の整理がついているのでしょう。

男の方は、別れても「きっとまだ、俺のこと好きなのだろう」と思い続けます。

女性はドライで、男はウェットです。

 

女性が歌っているので、女性目線の歌かと思いきや、実は、愚かな男どもへの戒めの歌なのかも知れません。

 

 

もう一度、申し上げますが、この曲を綾瀬はるかさんがカバーしています。

ぜひ、聴いて欲しいと思います。

そして、綾瀬さんのカバーアルバムの発売!

 

 

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と、いうのは冗談です。