『Pとお別れを』 作:コピ
永遠に一緒に居られると、僕は勘違いしていた。
昨日の夜、僕はPとお別れをしたんだ。
触れ合った長い時間が嘘のように、呆気なく。
きっと誰も悪く無い。
時の流れが残酷なだけ・・・。
別れる前に、Pをジッと見た。
出会った時のことを思い出すために。
初めて会ったのは、有名なファストファッションのお店だった。
少し手が触れただけ。
僕は一瞬でPを好きになった。
歳を取るにつれ、好みの形は変わると思う。
今の形を望んでから数年、Pが最高だと確信した。
僕は保守的なので、出会って間もないのに、Pと別れた後のことを考えた。
ズルい考えかも知れないが、類似を探したこともあった。
Pのような、存在を失いたくなかったから・・・。
でも、僕が求める、Pと呼べる存在は、このPでしか無いのだ。
高い頻度でPを欲すれば、Pとのお別れが近づく気がする。
ジレンマに襲われた。
なるべくPに触れないようにした。
代わりはあるから・・・。
罪悪感と共に過ごした。
Pとの関係がギクシャクし始めた。
僕とPがフィットしないのだ。
Pの緩さが逆に、僕の心を締め付ける。
新たな出会いを求め彷徨う。
だが、Pの代わりは存在しない。
世の中の違う価値観に、僕がついていけていない気がする。
大事なところが薄れてきている。
Pを見て思う。
ウンがよく、ツイていたとか、いや、ツイてないとか考える日もあった。
「失いたくない」
心からそう思うが、出会った頃の触れたトキメキが無くなっているのも事実だった。
僕がPと呼ぶのは、この手の中にあるPだけ。
今までありがとう。
ひょっとすると、別のことをする為に、そばにいてもらう事も出来たかも知れない。
僕は、そうしなかった。
Pは、最後までPでいて欲しかったから・・・。
さようなら
ユニクロの肌触りがとても良かったP(パンツ)を捨てた。
ゴムがダルダルで、表面が毛羽立って、大事な部分が薄れたから。
きっと、誰も悪くない。
洗濯の仕方にも問題は無い。
ただ、時の流れが残酷なだけ・・・。