コピの部屋

好きなもの・人に対しての想ひを語ってみます。お子様ランチ記事を目指します!

『人間失敗』 太宰コピム

 

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【目次】

途中で「何を書いているかわからん!無理!」と感じたら『さらにあとがき』へ進んでください

 

 

はしがき

私は、その星の写真を三枚、見せてもらった。

一枚は、その星の、幼年時代、とでも言うべきであろうか、恐竜に取りかこまれていた。
「可愛い始祖鳥ですね」と、いい加減なお世辞を言うつもりもない。
二枚目、その星はびっくりするくらい変貌していた。
部活後の学生が泥だらけのようである。
人々は効率的な生活を送るが、星の顔がひどく汚れている。
胸のポケットから白いハンケチを出して拭きたい気分だ。
もう一枚の写真は、最も奇怪なものである。
まるでもう、としの頃がわからない。
この星には表情が無いばかりか、印象さえ無い。
所謂「死相」というものにだって、もっと何か表情なり印象なりがあるものだろうに。
私はこれまで、こんな不思議な星の姿を見た事が、やはり、いちども無かった。

 

 

第一の手記

恥の多い生涯を送って来ました。
自分には、神々の生活というものが、見当つかないのです。
自分は田舎に生れましたので、水がある星をはじめて見たのは、よほど大きくなってからでした。
自分は子供の頃から病弱で、よく寝込みましたが、寝ながら、ニトリの寝具が案外に実用品だった事を、十歳ちかくになってわかって、神のつましさに暗然とし、悲しい思いをしました。
そんな時、自分が通う神様養成学校の教師から、ある星の管理を任されました。
しかし、嗚呼、学校!
クラスには、嘲笑する神の子も或いはあるかも知れませんが、先生の指示なのだから仕方ないと、自分には思われるのですけど。
三十年間ある学生生活の中で、神にふさわしいか、結果を求められるのでした。
とにかく、その星に、首長竜や三本の角を持つ恐竜を置いてみました。
お茶目。
自分は、クラスメイトから、所謂お茶目に見られる事に成功しました。

 

 

第二の手記

調子に乗っていました。
自分は、その星の管理を怠ってしまいました。
星に住む生物は、褐色のねばっこいような若葉と共に、青い海を背景にして、その絢爛たる肉体の花をひらき、やがて、桜吹雪のように、花びらがおびただしく海に散り込み、海面を鏤ちりばめて漂い、波に乗せられ再び波打際に打ちかえされる、その桜が砂浜へ広がるのでした。
簡単に言うと、その星を放っておいたら、殆どの生物が死んでしまった、ということです。
星を育てることへの自信を失いました。
クラスメイトにコツを聞いてみると、低い声でこう囁きました。
「ワザ。ワザ」
自分は震撼しました。
星の管理をするには、生物の知能とバランスが大切になってくる、そう学校で習ったではないかと、また、低い声で囁きました。
「耳が痛い」
その星に、自分なりに知能が高いと感じた、猿人という生き物を配置して、様子を見ることにしました。
猿人は、やがて、道具を作り、使うようになります。
でも、進化が遅く、退屈でした。
クラスメイトの星と比べ、育っていない感じがあります。
人間、という生物を進化という名のもと、投入することに決めました。
人間は、道具を使い、火を使い、言葉を使います。
人間は、高度な文明を作り上げました。
自分が育てた星も、他の星に負けない星になると、そう、確信しました。
高層ビルの高い窓から見える、夕焼けの空に、鴎が、「女」という字みたいな形で飛んでいました。

 

 

第三の手記

人間の数が増えていきました。
この星の命の数は決まっています。
人間の数が増えれば、他の生物が減ります。
そして、人間が生きる為の食料も減っていきます。
流行り病で減らそうとしても、知恵で乗り切ろうとする人間を愛おしいとも思うのです。
でも、人間は他の動物と共存するでもなく増え続け、やがて、宇宙に出ようと考えます。
自分は、人間が他の星の生物と交わった瞬間に、滅びることを知っています。
「出ちゃいけませんよ。とにかく、出ないで下さいよ」
そうは思いますが、時間の問題だとは感じています。
この星は、宇宙に出ようとする人間への戒めか、地震や津波などを起こします。
人間たちも何かに取り憑かれたように、戦争を繰り返します。
平和を訴える者は狂人と呼ばれました。
狂人は呟きます。
神に問う。無抵抗は罪なりや?
狂人を戦争に巻き込む、そんな廃人たち・・・。

人間、失敗。

この星に、人間なんて、配置しなきゃよかった。
砂漠だらけで、殆どの生命が消えてしまった星を見て、思います。
再度、ペガスス座矮小不規則銀河から「アダム」と「イヴ」を借りてきて、人間を増やす気も起らず、この星の管理を辞め、神様養成学校を去ります。
自分はことし、二十七になります。
白髪がめっきりふえたので、たいていの人から、四十以上に見られます。

 

 

あとがき

この手記を書き綴った神になり損ねた学生を、私は、直接には知らない。
けれども、この手記に出て来るペガスス座矮小不規則銀河のアダムともおぼしき人物を、私はちょっと知っているのである。
小柄で、顔色のよくない、眼が細く吊つり上っていて、鼻の高い、美青年というよりは、美人といったほうがいいくらいの固い感じのひとであった。
その昔、京橋のスタンド・バアでアダムと話す機会があった。
太陽系の話になった。
アダムは、私に、地球という星の写真を三枚見せた。
まるで、生物が生まれ、育ち、死んでいくさまのようだ。
写真を見せて、
「何か、小説やブログ記事の材料になるかも知れません」
と、アダムは言う。
アダムに、手記を書いた、その学生について、聞いてみた。
神となった私に、何気なさそうに、言った。
「私の知っているその学生は、とても素直で、よく気がきいて、あれで管理能力さえあれば、いいえ、なくても、……神様みたいないい子でした」

 

 

 

さらにあとがき

当ブログの管理人、コピでございます。
お読み頂き、誠に有難うございました。

 

どうですか?分かりにくいでしょ。
僕もそう思います。
ある小説をベースとして書こうとし、その小説の心に残るフレーズを使わせて頂いたら、さっぱり訳のわからん読み物が出来上がりました。
「言葉の言い回しが難しいわ!」という方・・・太宰先生にクレームを入れてください。
僕は知りません。

 

なぜ、このような形にしてしまったか?
僕にも分かりません。

 

読みにくいものを書く僕は・・・
ブロガー失格

 

 

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