コピの部屋

好きなもの・人に対しての想ひを語ってみます。お子様ランチ記事を目指します!

あんべかんぞう物語

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かんぞうは、お父さんが大切にしていた桜の木を斧で切り倒してしまいました。
「これは誰がやったのだ?」とお父さんが尋ねたので、かんぞうは答えました。
「これは、ですね、家政婦の、ですね、龍池さんがやった、というですね、情報を掴んでおり、執事の黒田さんの、ですね、推理と、完全に一致しました」
お父さんは執事の黒田に確認しました。
「かんぞう坊ちゃんの言う通りです」
お父さんは、かんぞうがやっていたことを薄々感づいていましたが、家政婦の龍池を解雇しました。

 

ある国の政治家の家系に生まれた、あんべかんぞう。
何不自由無く育ちました。
幼いときからワガママ放題。
かなりプライドが高い男の子です。
他人に頭を下げたり、謝ったりすることが出来ません。
自身の過ちを誤魔化すために、平気で嘘をつきます。

 

中学生になったかんぞうは、家の中でゴルフクラブを振り回していました。
ガシャーン!
お父さんが大切にしていた壺を割ってしまいました。
「これは誰がやったのだ?」とお父さんが尋ねたので、かんぞうは答えました。
「これは、ですね、家政婦の、ですね、左川さんがやった、というですね、情報を掴んでおり、執事の黒田さんの、ですね、目撃情報と、完全に一致しました」
お父さんは、黒田に確認することなく、左川を解雇しました。

 

かんぞうの取り巻きは、彼の嘘に付き合うことで、好かれようとしました。
また、かんぞうの罪を背負えば、解雇されても高額の退職金をもらえます。
大金を手にして、ワガママ坊やから離れられるから、そちらの方が良いとさえ思うのです。

 

かんぞうは、中高一貫校を経て、系列の大学を卒業しました。
政治家になることを意識して、海外大学に留学し、短期間ではありますが大手企業にも勤めました。
大臣だったお父さんの秘書になり、政治を学んでいきます。
お父さんの地盤を引き継いで政治家になったかんぞうは、優秀な公設秘書達の力もあり、大臣経験が無いまま党幹事長まで上り詰めました。
当時、国民に大人気の首相を支えることで、かんぞうの評価も上がりました。
人気首相を引き継ぐ形で、なんと、かんぞうが首相になるのでした。

 

穏やかな首相の日々が過ぎます。
色んな人間が陳情にやって来ます。
口利きをしてあげると、事務所に謝礼金が届くようになりました。
更に、隣国の依頼に応えると、今までの謝礼と比べものにならない程の金額を手にしました。
かんぞうの心に「大金を持った人間に恩を売れば謝礼が得られる」という気持ちが芽生えました。

 

一国の首相になったかんぞうですが、罪悪感という感情を持てずにいました。
他人に頭を下げたり、謝ったりすることが出来ません。
そもそも、何が悪いかすら分かっていません。
今日も新聞記者にキツイ質問をされました。
プライドを傷つけられ腹が立ちましたが、元々考えていたよ!というフリをして誤魔化します。
かんぞうは、明日も、明後日も、嘘を、つき、続けるので、あります。

 

たとえ嘘をついても、周りの人間が真実に変えてしまいます。
幼かったあの日のように・・・。

 

三つ子の魂百まで

【読み】みつごのたましいひゃくまで
【意味】幼い頃の性格は、年をとっても変わらないということ。

出典:故事ことわざ辞典

雀百まで踊り忘れず

【読み】すずめひゃくまでおどりわすれず
【意味】幼い時に身につけた習慣や若い時に覚えた道楽は、いくつになっても直らないというたとえ。

出典:故事ことわざ辞典

 

このおはなしはフィクションです。
実在の人物や団体などとは関係ありません。