人間は、思い込みの激しい生き物です。
「きっと、●●だろう!」そんなことを思ってしまいます。
映画などの作品を見るときに、「●●が駄目だからつまらないだろう!」と思って避けてしまうと、名作を見逃してしまったりします。
勿体ないですよね。
そんな挿入感 先入観は捨て去って、真っ新な気持ちで映画やドラマや“ぎぼむす”を観たいものです。
まぁ逆もあります。「●●だから、きっと面白いだろう」と。
そういうのを、そういう感覚の人を、『信者』と呼ぶのでしょうね。
面白いと思わないと、破門されるような・・・。
この映画は、結構評判が良いんですよね。
何故だか分かりませんが・・・。
監督のネームバリューでしょうか。『信者』?
僕は、フランス映画も観ますので、「日常を切り取った!」みたいな作品も嫌いではありません。
ただ、映画にする以上は、何か大きなテーマは必要です。
すみません。この鎌倉映画のテーマがさっぱり分かりませんでした。
この監督の映画って、そんなのが多い気がします。
あらすじは、
3姉妹と腹違いの妹が鎌倉で一緒に暮らして、本当の家族になる
と、それだけです。
見どころありますよ。
「この3姉妹の演技が良い」です。
長女と次女が、近所の飲食店で乾杯するシーンは、とても自然で印象に残ります。
登場人物は、みんな(四女以外)素直に生きている印象です。
故に、抑揚が無い作品となっています。演技が上手ければ尚のこと。自然であれば自然であるほど。
穏やかな海、さざなみのような感じの映画に見事仕上がっています。
朝の連ドラの総集編を見させられている気分です。
四女は、元々猫を被っているような女優の子。
ドラマでも、CMでも。この映画の中ではずっと猫が見える状態です。
「本当の家族になった!」というシーンの後でも、頭の上に猫がいます。
女優業を続けていくのなら、いつかは猫を逃がしてあげなければなりません。
頑張って。
ここの監督もよろしくありません。
この人は、子役に台本を渡さないという馬鹿な手法をとるらしいです。
撮影現場で、はじめてのセリフ伝えて演技させる。そうすると、演者の固定観念が無い分、自然に演技できる、と。
四女にも同じようにやらせたそうな。(本人が勝手に台本読んでないだけかも知れませんが)
台本を読み込んで、その役を(他の人物との関係も)理解して、演じるのが役者です。
良い役者さんは、エンディングから撮り始めてもキチンと演技が出来ます。役の心情、物語の今までの経緯を台本を読んで理解しているからです。
素晴らしい俳優を育てる為にも、台本を読ませて理解させ、その上で演技をさせるようにした方がいいです。
邦画を衰退させない為にも・・・。
この鎌倉姉妹映画は、終わりの方にある、長女と四女のシーンの為に他シーンがあると言ってもいいでしょう。
そこまでが、非常に長い。
飛行機の離陸に例えると、とんでもなく長~~~~~~~い滑走路を走ってきた飛行機が、最後にちょこっと飛ぶ。そんな感じ。
滑走路をただただ走る飛行機をずっと見てきたもんだから、ちょっと飛んだだけで感動する。そういうやり口です。
ちなみに、成田空港から鎌倉までの滑走路があったなら、約34㎞です。
撮影に1年もかけたそうです。この映画。
監督・脚本 是枝裕和
長女 綾瀬はるか
次女 長澤まさみ
三女 夏帆
四女 広瀬すず
以上です。