コピの部屋

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連続ドラマ『義母と娘のブルース』注目すべきポイント12選(脚本:森下佳子さん)

 

202212日夜9時にドラマ『義母と娘のブルース2022年謹賀新年スペシャル』が放送されます。
脚本はもちろん、森下佳子さんでございます。
僕にとって、2021年の森下さん『サイコな2人』は「最高な2人」とはならなかったもので・・・。
余計なことを言いました😓

ぎぼむすは大丈夫でしょう🌟

本日は連続ドラマ『義母と娘のブルース』の注目ポイントをおさらいしましょ。

 

 

【ドラマ好きトンチキ(コピ)の目次】

 

森下佳子さん脚本のぎぼむす

ぎぼむすこと『義母と娘のブルース』は、TBS系で20187月期に放送されたドラマです。
脚本家によって仕事のペースは違うと思いますが、森下さんの作品は1年に1本です。
(他のお仕事はされているでしょう)
完成度が高い作品を仕上げる為には、時間が必要ですよね。

森下さん作品は基本的にどれもレベルが高いと思うのですが、連ドラ終了後に2回目のスペシャル放送されるという人気の『義母と娘のブルース』をご紹介します。
脚本の秀逸さだけでも長い文章が書けそうですが、今回はドラマ全体の面白さをお伝えしたいと思います。

 

最近、ドラマについて知人(数名)と話す機会があったのですが、みんな視聴が1回でびっくりしました。
「え?面白いドラマは何回も見ないの?」
そもそも、何回も見ないドラマは、僕の中で“面白い”には入りません。
細かい心理描写の把握や散らばった小ネタの回収は、一度の視聴では無理じゃないか?と思います。

 

今回、ドラマの注目ポイントをお伝えしますので、一度視聴された方も再度観て頂けると嬉しいです。
全く観たことが無い人・・・駄目です🙅

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森下佳子さんとは

作品紹介の前に、ドラマの脚本家を少しご紹介

氏名:森下佳子(もりした よしこ)
生年月日:1971年1月24日
出身地:大阪府
学歴:東京大学卒
受賞:朝ドラ『ごちそうさん』で第32回向田邦子賞、第22回橋田賞を受賞。
代表作:『世界の中心で、愛をさけぶ』『白夜行』『JIN-仁-』『とんび』『天皇の料理番』(以上、TBSドラマ)、『ごちそうさん』『おんな城主 直虎』(以上、NHKドラマ)

 

 

『ぎぼむす』のあらすじ【ネタバレします】

岩木亜希子はトップシェアの金属会社「光友金属」で若くして部長になった仕事一筋のバリバリのキャリアウーマン。能面のような表情で、事務的で格式ばった口調で話す。
そんな彼女は先妻を亡くした宮本良一と結婚して、小学生の娘みゆきの母親になろうとする。
結婚に猛反対していたみゆき亜希子の一生懸命さに心を動かされ、徐々に母親として認め始める。仕事一筋だった亜希子は世間の母や主婦とはかなりズレており、慣れない家庭生活で失敗を繰り返す。義母と娘が少しずつ親子関係を築いていくなか、良一は、病によって余命僅かとなっていた。

 

良一が天国へ旅立ち数年、みゆきはほんわかした高校生に成長、亜希子も一人前の主婦となっていた。
貯金とデイトレードで生計を立てている亜希子だったが、「母親は楽に稼いでいる」とみゆきに思われてしまい急遽近所の『ベーカリー麦田』でパート勤務を始める。
亜希子は、言い間違いが多く全くやる気のない麦田店長と店の経営を立て直すべく奔走する。

 

 

ドラマ好きトンチキが選ぶ注目ポイントは?

原作から連ドラにする力が凄すぎる

原作の4コマ漫画(全2巻)を1時間×10話の連続ドラマとして成立させてしまう脚本力。
ドラマ素材としてはかなり少ないと思われる量を間延びすることなく、一作品に仕上げられているから驚きです。
漫画の亜希子はドラマよりもキツイ印象で、良一とは対等な関係。
その設定をちょこっと変えることで、より人間臭いドラマに仕上がっています。
原作漫画にはインパクトのあるシーンが多くありますが、ドラマに上手く組み込まれています。

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効果音が絶妙

主人公・宮本亜希子は金属業界の戦国部長と呼ばれています。
それを踏まえて、戦国風の効果音が随所に入ります。
その心情を表す効果音が絶妙なのです。
昔のホームドラマ好きには、バラエティ風味が強くて合わないかも知れません。
効果音って現代ドラマでは主題歌と共に重要になっていますし、上手く導入出来るかで作品の良し悪しが変わると思います。

 

みゆきの小3と高3のみ

ドラマで描かれているみゆきは小学3年生の4月~9月と、高校3年生の9月~翌4月のみ。
義母と娘の10年間を計1年に凝縮させています。
中学生時代のみゆきは出てきません。
途中のエピソードは一切ありませんが、娘を義母の足跡を感じることは出来ます。
あえて語らず、空白の期間が設けて空白の期間を想像させる・・・という試みは凄いと思います。

 

4話の最後のアイノカタチ

第4話の最後、良一が倒れます。
家族が一つにまとまりかけた矢先ですから、かなりショッキングです。
逆を言えば、ドラマが盛り上げるシーンです。
亜希子みゆきが倒れた良一を見つめている時、エンディング曲が流れっぱなしです。
本来なら曲が止まって「来週へつづく」という演出にしたいところですよ。
でも、MISIAさんの『アイノカタチ』は流れたままです。
この曲も作品の一部として大切にされているんだなぁ~と感じます。

 

ナレーションは第6話以降のみゆき

第1話の「ポップス、ロック、クラシック・・・」
第2話の「これは義母の土下座の術・・・」
などと、女性ナレーションが入ります。
これは、高校生になったみゆきの声です。
登場している人物(例えば小学生みゆき)じゃないので、「この声は誰?」状態です。
連続ドラマである以上は、途中打ち切りも視野にいれなければならないと思います。
みゆきの高校時代が出てこないことだってあり得た訳です。
作品によほど自信があったのでしょう。
良い連続ドラマって、すんごく計算されていて、全話出揃って1作品なんですよね。
ちなみに女性ナレーションがあった1~3話は、高校生みゆき役の上白石萌歌さんの名がクレジットにあります。

 

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衝撃と感動の第6話

唐突に良一が亡くなります。
救急車で運ばれるとか、病院のシーンとか、最期の言葉とか一切ありません。
視聴者はみゆきの心情と同じに「悲しい」と思う間もなく「逝ってしまった」と感じるでしょう。
お通夜での義母と娘が抱き合うシーン・・・何度見ても涙が出ます。
森下さんの脚本は台詞回しが絶品なのですが、このシーンでは亜希子に一切喋らせないんですよね。
亜希子の人生、ここが正に転機であると言えます。
他の回では序盤に登場したタイトルバック。第6話はドラマ中盤に登場し9年歳をとった人物たちに変わっており斬新です。

 

お決まりの流れと下山さんの魅力

亜希子に電話が掛かってきます。
「はい。宮本の携帯です。・・・なんと!!」
この流れ、ドラマの中ではお決まりです。
このような、細か~いネタがたくさん入っています。
中でも、下山不動産の下山和子の言葉に注目して欲しいです。
きっと脚本の森下さんは、下山さんの台詞で楽しんでいるのでしょう。
「おばちゃん」と呼ばれる下山は自分の事を「和ちゃん」と呼ばせたがりますが、誰も聞き入れません。
時折亜希子の心を揺るがす言葉を放った和ちゃんですが、麦田店長「トンチキ!」と表現します。

この表現が出来る女性、素敵です。

 

ドラマ内で時間は飛ぶが空白はない

1クールで10年近くが経過するんですよね、このドラマ。
小学生のみゆき、友達の大樹が高校生になります。このキャスティングが絶妙です。高校生役の俳優が先に決まって小学生の配役が後だとは思いますが、それぞれ良い感じで成長した印象です。
それに対し、亜希子の見た目は殆ど変わりませんねぇ。でも、演技だけで9年を経過させてみせます。(綾瀬はるかさんってすごいな~😍)

母娘の会話によって積み重ねた9年が伝わってくるようにも構成されています。

会話の内容から、亜希子にとって9年前の半年間(みゆきと良一との生活)が忘れがたい大切な思い出であると伝わります。

 

第9話の9 放送も9月

このドラマは『奇跡』がテーマで、随所に散りばめられています。
分かりやすいものとして、数字の並びがあります。
777とか1234など義母と娘が気にするのは、良一の影響です。
そして、第9話はかなり『9』に拘っていました。
亜希子麦田の居酒屋のシーン。
良一が亡くなった年前の月の話になり、後方の席番「9」が映りこむ。細かい演出です。
ひょっとすると見逃している『9』があるのではないか?と今でも気になります。

 

良一と麦田は抜けているが愛すべき男

間抜けな人間は苦手な僕ですが(自分は棚に上げて)、この男性二人は好きになりました。
第1~3話の良一に対し「頼りないな、アホだな」と思っていました。
森下さんの脚本力なのでしょうね。
見れば見るほど、とても魅力的に映ります。
良一には強さを麦田には優しさを感じます。
不器用ゆえに人間味があって、そして真っ直ぐ。

僕が鈍感なんですかねぇ。何度か見て、やっとキャラクターを味わえる。
逆を言えば、繰り返し視聴することで、そのキャラの良さを知ることが出来る。
森下さんの作品って、懐が深いですね。

 

亜希子さんは鈍感・・・でも

主人公・亜希子の世間からズレているところが、このドラマの魅力の一つです。
一人で生きることだけを考えて育った亜希子は恋愛にはかなり疎いです。
自分の言動や行動により、周りの男性を勘違いさせてしまいます。
ただ、本人は全く気づきません。ザ・鈍感です。

一人で生きてきた亜希子は他人由来で動揺することが多々あり、それを隠すことは非常に下手です。
驚くと手の力が抜け、持っている物を落とします。
動揺で何かが気になると、他のことが耳に入りません。
おかしな行動を取ります。

めちゃめちゃ仕事の出来るキャリアウーマンなのにそのギャップ。そんな亜希子に周りの男性陣はメロメロです。

 

男女の距離感がすごくイイ

僕は、森下さんの脚本に描かれる男女が好きです。
(すみません。作品によって、です😅)
何が良いって、距離感が良いです。
ベタベタしていなくても、心の繋がりを感じられます。
みゆきと大樹は、とても仲が良いですが大人の仲の良さです。
信頼で繋がっている素敵な関係です。

このドラマの続編があるならば、亜希子よりもみゆきの恋の方が気になってしまうかも知れません。※この記事は2019年7月26日のものをリライトしております

期待してるもぐたん! 

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まとめ

面白シーンを一つ一つ挙げるとかなりの文字数になってしまうので、とりあえずこの辺で終わりま~す。

 

悪ふざけドラマと勘違いしないでくださいよ。
かなり骨太の家族ドラマに仕上がっています。

ロボットみたいな女性が主役のドラマ見たくない!と?
それは、あなたの挿入感! いや、先入観!です。

 

お読み頂き、ありがとうございました。
ドラマ『義母と娘のブルース2022年謹賀新年スペシャル』日()夜時より放送です。

 

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